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私は30代薬剤師で、大学卒業後から中小企業の調剤薬局に勤務しています。
業務を行う中で門前から広域、違う県の病院の医師などたくさん疑義照会を行ってきました。
その中で、印象に残った疑義紹介を紹介させていただきます。
そもそも疑義紹介とは、堅苦しい文章で説明すると・・・
「薬剤師は処方箋に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師、歯科医師または獣医師に問い合わせてその疑わしい点を確かめたあとでなければ、これによって調剤してはならない。」
と定められています。
つまり、法律で私たちは業務の中で少しでも疑問に思ったことは医師に確認する義務があります。
業務中にあれ?と感じたらすぐに確認する癖をつけるのは重要なスキルです。
同僚は疑問に思ってもまあ大丈夫か!とそのままスルーして医師に怒られていました。
幸い患者への不利益はないものの、確認すべき項目を怠ると医師との信頼関係も崩れてしまいます。
普段よく行う疑義照会として、
■残薬調節
・患者「飲み忘れで薬が余ってる!」→薬剤師「使えるお薬は残薬として調節しましょう。先生に相談しますね。」
■併用薬の確認、その後の対応
・患者「先生に言ってないけど飲んでいるお薬がある」→薬剤師「飲み合わせが悪いので確認しますね。」
■患者の訴えと違う薬が処方
・患者「先生は痛み止めを出すって言ってた」→薬剤師「痛み止め以外のお薬が出てますね。確認します。」
1日に3回くらいは上記の疑義照会を行いますが。
残薬調節などは門前の病院との約束で簡略化されているケースもありますよね。
以上なほど確認作業を繰り返して、安全にお薬を使っていただくお手伝いをするのが薬剤師の仕事です。
今回疑義紹介の中で、私が印象に残っていることを紹介します。
施設(特養)に入所している患者さまで、容体が落ち着いていることから長期間同じお薬が出ていました。
しかし、看護日誌を確認すると最近になってぷつぷつが頻回に出ていると記録がありました。
ここで私が疑ったのはアレルギーではなく、薬による副作用でした。
なぜなら、この患者さまはもともとアレルギー体質ではなく、ほぼ寝たきりで外出もされておらず、花粉や蕁麻疹などのアレルギーによる可能性は低いと思いました。
抗アレルギー剤を投与し、少し改善するかもしれませんが根本的な解決にはつながりません。
服用している薬剤を確認したところ、ラシックス(利尿剤)を服用されていました。
副作用の報告に、少数ではありますが類天疱瘡の記載がありました。
そこで、主治医に疑義紹介し、別の利尿剤へ変更してもらったところ、湿疹は改善していきました。
寝たきりや施設での患者様は、普段薬局にきてくださる患者様よりもコミュニケーションが取りにくく、薬の評価が難しいです。しかし、副作用の情報提供、それによる薬剤提案などは自分にとって良い経験になったと思いました。この経験があって、確認作業は大事だなと実感することができました。
これからは医療費抑制の面でも不要な薬剤の処方を減らす提案ができるなど、薬剤師の疑義照会という仕事はさらに自由度が広がり、患者に貢献できると思います。
医師が怖くてなかなか問い合わせができない、、と思ってても、医師も患者情報は共有してほしいと思うので、怖がらず疑義照会していきましょう。