【研修認定薬剤師】の取得について現役ママ薬剤師が解説します。

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研修認定薬剤師の取得について

1.はじめに

私は薬剤師歴8年目の31歳です。神奈川県の調剤薬局で働いている現役ママ薬剤師です。

研修認定薬剤師の資格を持っており、かかりつけ薬剤師としての経験もあります。昨年無事に更新することができました。

これから認定薬剤師の資格取得を考えている方に少しでもお役に立てればと考え、研修認定薬剤師の資格取得までの流れと私の経験について紹介したいと思います。

2.研修認定薬剤師とは

研修認定薬剤師は定められた研修を受け自己研鑽により薬剤師にふさわしい資質の維持の努力をしていると認められた薬剤師のことを指します。

これは公益財団法人日本薬剤師研修センターが認定している資格です。

薬剤師は倫理や基礎薬学、医療薬学、法規など幅広い分野において自らの資質を高めそれらを維持できるように生涯研修を支援し、その成果を認定するために研修認定薬剤師制度が設けられています。

認定されたことで他の医療従事者や患者からの信頼を高め、常に時代に即した薬学的ケアを行える薬剤師であることを示すことができます。

2020年では研修認定薬剤師数は10万人ほどで全国の薬局や医療機関に従事する薬剤師の4割が取得していると推測されています。

3.研修認定薬剤師になるには

研修認定薬剤師になるためには一定の手順を踏む必要があります。

手順1:研修に参加する。
認定薬剤師研修機関(プロバイダー)が主催する研修に参加します。研修は集合研修やグループ研修など様々です。

薬剤師会が主催している研修やeラーニングで単位を取得することができます。

決められた期間内に必要な単位を取得したら受講証明として単位(シール)が発行されます。シールを貼付するための薬剤師研修手帳は各プロバイダーから購入できます。

手順2:研修内容を記録する。
研修を履修した後は研修手帳にシールを貼り研修内容を記録します。

認定薬剤師になるためには新規申請の場合、4年以内に40単位以上かつ各年5単位以上を取得する必要があります。

なお、新規申請の4年以内というのは上限でこれより短くても所定の単位を取得すれば申請をすることができます。

手順3:申請書を提出する。
各資格に必要な単位を取得したら認定審査料を振り込みます。
そしたら申請用紙を記入し薬剤師研修手帳とともに各プロバイダーに提出します。

そのあと、認定薬剤師として登録されると認定薬剤師証が発行されて資格を取得できます。

ちなみに申請してから認定されるまで数か月はかかります。

4.研修認定薬剤師の更新

認定薬剤師の資格は一度取れば終わりではありません。
3年ごとに更新手続きをしないと資格は失効してしまいます。

認定の更新をするためには3年間で30単位以上かつ毎年5単位以上の取得が必須です。

なお、毎年5単位が取得できなかった場合は更新ができず新規として申請が必要なので注意が必要です。

更新の場合も新規申請と同様に認定されるには数か月かかります。

4-1.単位シールの不正
平成31年に研修受講シールがフリマアプリやネットオークション等で不正に販売されていることが報道されました。

これをきっかけに講義を受ける際は受講状況や発行状況など厳格に管理をすることになりました。

例えば受講する際は薬剤師免許番号を申請しなければなりません。

また研修受講シールには個別に番号がつけられており、この番号によって正当な受講者名を把握できるようにました。

よって、不正に購入した受講シールを使用して認定申請をした場合認定を受けることはできません。

不正が発見されたら記録が残りますので今後の研修受講に支障が起こることは必至です。

4-2.認定薬剤師手続等の電子化
令和3年9月から薬剤師研修・認定電子システム(PECS)が実施されることになりました。

このシステムで研修受講管理や認定申請などすべての手続きができるようになりました。電子化の理由は主に4つあります。

①処理能力の向上
かかりつけ薬剤師制度が始まったことや地域支援体制加算の算定に伴い2016年から認定薬剤師の取得者数が一気に増えました。

その大幅な増加により単位シールの管理や手続きがかなりの負担となり人力での処理が限界になってきているようです。

②不正防止
受講シールの不正販売が見つかったためその防止策として受講シール番号と薬剤師免許番号などの紐づけ作業が必要になりました。

研修終了後には主催者が研修シール番号と免許番号のリストを薬剤師研修センターに送っています。

この作業が結構大変で研修実施機関の負担になっているというのです。

③迅速性
申請は書類によって行われているため認定するのに時間がかかります。これは申請書を複数の機関を通しているためです。

④単位管理の確実性
これまでは研修受講シールを薬剤師研修手帳で管理するようにしていました。
しかしこれには紛失や受講記録の記入漏れなどのリスクがあります。

なお電子化に伴い研修受講シールや薬剤師研修手帳は廃止となります。
このPECSは薬剤師全員が登録対象です。研修センターに研修実施機関の登録をしている団体もこのPECSへの登録が必要となります。

PECSの登録をしなければ研修受講単位の交付を受けられません。

つい忘れてしまい研修会に参加しても単位を受け取ることができなくなります。

5.研修認定薬剤師になるメリット

これはズバリ「かかりつけ薬剤師」として活躍できることです。
かかりつけ薬剤師は薬による治療や健康などの豊富な知識と経験を持ち患者のニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師のことをいいます。

患者がかかりつけ薬剤師を持つ「かかりつけ薬剤師制度」は2016年から始まっています。

その背景には超高齢社会が考えられます。

日本の高齢化率のスピードは世界でもすさまじく、2065年には全人口の25%が75歳以上の後期高齢者となり高齢化率も38%になると推測されています。

そうした中で厚生労働省は地域の医師や医療機関がかかりつけ薬剤師と連携して患者が受けられる地域包括ケアシステムを構築しようと試みています。

厚生労働省は2025年までにすべての薬局をかかりつけ薬局にすることを目指しており、かかりつけ薬剤師のニーズや価値は今後ますます高まっていくでしょう。

薬局側の視点からみると患者の薬を一元的に管理しやすいですし、「かかりつけ薬剤師指導料」が発生するので経営としてもかなりのメリットがあります。

また、普通の薬剤師よりかかりつけ薬剤師のほうが経験や知識を積んでいるので今後のキャリアアップにつながります。

これは私が現場で耳にしたのですが、認定薬剤師の資格の有無で給与に影響が出る薬局があるようです。

かかりつけ患者を持つとその指導料に合わせて給与を上乗せする薬局もあれば認定薬剤師の資格がないと給与をカットする薬局もあるようです。

そのため今後の転職や年収アップを考えたとき研修認定薬剤師の資格を持っておいたほうがいいと考えます。

6.私が研修認定薬剤師になるまで

私は薬剤師3年目に研修認定薬剤師の資格を取りました。

資格と聞くと講義を受けて試験に合格しないといけないイメージを持つ人がいると思います。

しかし、認定薬剤師の取得に試験はなく想像していたほど大変なものではありませんでした。

私は主にeラーニングで単位を取りました。あとは当時勤務していた会社が主催していた集合研修会に参加し単位を取得していました。

日本薬剤師研修センターのホームページで研修認定薬剤師講習会が紹介されているので興味があるものがあればそちらに参加することも可能です。

eラーニングは動画を見てテストを受けます。

動画のほとんどは30分ほどのものが多い印象です。テストを受けて初めて受講したと認められます。

eラーニングは動画を3つ見て1単位が取得できました。講座の組み合わせは自由です。

テストに合格点はなく何回でも受けられます。

動画は最新の治療や臨床研究についてのものもあれば、病態や薬の作用機序など基礎的なものもあります。

そのためブランクがある人や苦手分野がある人でも安心して利用できると感じました。

私が利用しているeラーニングの動画は基礎的な知識の動画が多くスキルアップをするには少し物足りないかなと個人的に思いました。

eラーニングの動画は色んな実施機関が運営しているので自分にあったものを探してみるといいでしょう。

私はメディカルナレッジを利用しています。講座のコースはさまざまですが私は30講座コースで10単位が取得できるものを選びました。

価格は13500円(税抜き)です。

メディカルナレッジの良いところは1分間の視聴ができるところです。
視聴で続きを見たかったらそのまま1講座を受講することができます。

パソコンはもちろんスマホでも見られるので移動などのちょっとした合間でも手軽に講座を受けられるのも嬉しいです。

集合研修会は講義の中にグループワークが含まれており自発的に講義に参加する印象でした。

また最新の治療法や現代の情勢(コロナやオンライン診療など)に合わせた医療の在り方などを学べるのが魅力的だと感じました。

すぐに医療現場で実践できそうな知識が学べたと思います。

ただ集合研修会は会場が遠かったり勤務後の参加を想定しているためか夜遅いものがほとんで家庭との両立が難しいと感じました。

また参加費がeラーニングより少し割高なのも私は気になりました。主催者によって価格は異なりますが2単位で3000円のものが多かったです。

そのため私は復習したい分野はeラーニングを利用し、興味がある内容があれば集合研修会に参加するなど使い分けていました。

研修記録を手帳に残すときはこまめに記録をすることをお勧めします。

私はシールを取ることばかりに集中していてあとで記録をすればいいと考えていました。

しかし、実際記録をつけ始めるとこのシールはいつ取得したものかがわからなくなり焦ったことがありました。

記録には研修日時と場所、題名やその内容を残さないといけません。

それを書かないと単位として認められない可能性があるのでその都度細かく記録したほうがいいでしょう。

あと規定通りの単位がしっかりとれているか定期的に単位取得状況を確認することもお勧めします。

認定基準を満たしたら申請書と研修手帳を提出してあとは待つだけでした。大体3か月くらい待ったと思います。

何とか早く認定できないか不満に感じたこともありましたが、電子化によりこれはすぐに解消されるでしょう。

7.まとめ

認定薬剤師は今後の薬剤師として生き残るためには必須な資格といえます。
そのために様々な研修を受け自己研鑽に励み患者から選ばれる薬剤師を目指しましょう。

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