悩める看護師さんたちにお届けする【転職のススメ】

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悩める看護師さんたちにお届けする【転職のススメ】

現在看護師として働いているみなさまはもちろん、
看護師免許は持っているけれど看護の現場からは離れている、
と言うみなさまの中にも『転職』を考えたことのある方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

ですが、私自身も看護師として働き始めたころ、
「3年は同じところで働かないと信用してもらえないから転職はできない」
というようなことを言われました。

そして、今も日本では「同じ職場で長く働き続けることが美しい」と考える風潮がある気がします。

確かに、看護師界も含め、昔の日本には『年功序列』や『終身雇用制度』などがありました。

つまり、長く同じ職場で働くことで収入も退職金も増加が見込めたのです。
では、現在はどうでしょうか。

私は看護師として働き始めて17年になりますが、
様々な理由でたびたび転職しています。

私自身の体験を踏まえて、看護師の転職の実態についてお話することで、「転職したい」と思いながらなかなか実行に移せないでいる看護師のみなさまのご参考になれば幸いです。

【同じ職場で働き続けることのメリットとは】

同じ職場で働き続けることのメリットとしては、大きく2点があります。
『収入の増加が見込めること』と『信頼が得られること』です。

社会的な変化が大きい現在でもこの2点は変化がありません。

『収入の増加が見込めること』については分かりやすいと思いますが、多少でも毎年基本給の増加がありますし、退職金も多くなります。

もう一方の『信頼が得られること』については私の実体験も踏まえてお伝えします。

なかなか『信頼が得られている』とは感じにくいかもしれませんが、私の経験上、クレジットカードの作りやすさやその金額などに大きな影響を与えるのです。

大学病院では10年は働いていたので、クレジットカードの審査に落ちたことはもちろんありませんし、キャッシング額も300万円くらいでした。

つまり、「この人はキャッシングをしても返済できる能力がある」とクレジットカード会社も信頼してくれて、審査も通りやすく、借入額の上限額も相当の金額を提示してもらえたのです。

また、看護師の場合は『専門看護師』や『認定看護師』もありますので、同じ科で働き続けて、スキルアップをして、その道を極めることも可能です。

『専門看護師』や『認定看護師』の資格は、やはり収入にも信頼にも大きく影響を与えます。

他にも、同じ職場で働き続ければ顔が広くなりますし、新しい環境で新しいことを学びなおす必要がないこともメリットとして挙げられます。

【転職することのメリットとは】

まず視野が狭くなることがあげられます。
同じ職場で働き続けるから、その世界の常識がすべての常識に思えてしまうんですね。

私は10年間大学病院で勤めていたことで、事実としてたくさんのことを学びました。自分の知識や経験・実績にも自信を持っていました。

大学病院の特性上、研修医が主に採血や血管確保は行っていたので、不安なのは看護技術の経験不足だけだと思っていました。

ですが、大学病院を辞めて民間病院に移った時、知らないことが非常にたくさんある事実に絶望しました。

例えば、人工呼吸器についてです。私の勤めていた大学病院にはICUと長期的な入院が必要な神経内科の病棟にしか人工呼吸器がなかったので、その両科での職務経験がない私は人工呼吸器に関わったことがなかったんです。

ですが、異動した先の民間病院では重度障害者病棟の配属だったため、人工呼吸器の患者さまが大勢いらしたのです。

「簡単なつくりだから大丈夫」と師長には言われましたが、業務に必要な使用方法の説明しかなかったため、人工呼吸器の仕組みや設定の意味などについて1人で学ぶとなると非常に難しく、どこから学んでいいのかも困惑しました。

さらには、「大学病院にいたのに、こんなことも知らないの」と何度も揶揄されました。

他にも、転職することで様々な経験を積むことができます。
確かに大学病院にはたくさんの科がありますから、同じ病院内でも多くの経験を積むことはできます。

ですが、大学病院では入職時の所属科の希望調査はありましたが、その後は自分の希望や意図とは一切関係のないところで、駒のように異動の辞令が出されます。

私は腎臓内科で腹膜透析についてかなり勉強・研究しており、さらに研究を深めていくことを望んでいましたが、私の想いは考慮されませんでした。

自分が本当に研究し、学び続けたかったことを継続する機会を剝奪された私は他の環境に目を向け、転職することにしたのです。

まず、転職先として上記のように民間病院にも勤務しました。

上記の民間病院は体調を崩したことで転職を余儀なくされたのですが、体調の回復を待ち、身体の状況にあわせて他の民間病院で勤務しました。そこでの所属は地域包括ケア病棟でした。

業務自体に不満はありませんでしたが、地域包括ケア病棟で働くうちに「この病棟で過ごしている方が返って利用する社会資源について学びたい」と考え、特別養護老人ホームやデイサービスでも勤務しました。

「介護施設では看護は学べない」と思われがちです。

確かに、大学病院のような最先端の看護は学べませんが、医師が常に傍にいない分、自分の引き出しから
「何が起きているのか」
「今後どのようなことが起こるリスクがあるのか」
「緊急度がどれ程のものなのか」
などの知識をいつでも引き出せて、必要な対応を迅速に行える必要があります。

そのためには、様々な疾患や高齢者の身体的・精神的な特徴についての理解はもちろん、介護保険などの法律についても知識を深める必要がありますから、常に多くのことを学ぶことができます。

【看護師にとっての転職の難易度とは】

以上のように、転職のメリットをお伝えしましたが、実際に看護師にとって転職の難易度とはどれほどのものなのでしょうか。

結論からお話すると、看護師にとって転職の難易度は低いです。

私は転職サイトを利用して転職したこともありますし、直接応募で転職した経験もあります。
派遣サイトに登録して、派遣看護師として働いたこともあります。

また、在職期間は最初の大学病院が10年でしたが、その後は半年から2年程度で転職しています。

転職活動をする上で、「1か所の在職期間が短い」ことが理由で転職できなかったことはありませし、30代後半でも年齢制限で転職できなかったこともありません。

もちろん職場によっては現在勤務中の看護師の年齢に配慮するので、新入職者が極端に年上になってしまうことを避けるために、年齢制限を設けているところもあります。

まして、2021年現在ではコロナウイルスのパンデミックが起きているので、『コロナに関係する仕事』も溢れています。
事実、20年以上現場から離れていた潜在看護師がワクチン接種会場やコールセンターで働いています。

コロナに関する仕事はもちろん期間限定ですが、潜在看護師が現場復帰をする上ではいいきっかけであり、今後のいいウォーミングアップになっていると思います。

【まとめ】

いかがだったでしょうか。
同じところで長く働くことを否定するつもりは一切ありませんし、逆にそれができる人を私は尊敬しています。

ですが、既述の通り、看護師にとって転職は難しいことではありません。
求められるのは、どこの職場でも「勤務期間」や「ブランクの有無」ではなく「転職理由」なのです。

転職することで、新しい希望の働き方ができるようになる可能性がありますので、興味のある方は勇気をもって一歩を踏み出してみてください。

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