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「手術室勤務の独自の悩みやよかったことについて」
目次
・手術室勤務で辛かった経験は?
・手術室勤務でよかった点は?
・まとめ
現在私は、20歳代後半で、愛知県の病院で看護師を5年半経験しました。
その中の4年間は手術室看護師として勤務しました。
手術室を経験して、自分が辛かった経験や良かった点をお伝え出来たらなと思い、ここにまとめました。
手術室で辛かった経験は?
手術室勤務で辛かった経験は大きく5つあります。
◆1つ目は長時間立ちっぱなしであるという事です。
もちろん勤務形態にもよると思いますが、私がいた病院は3次救急で、夜中の緊急手術も沢山あったため、夜勤があり、夜勤だと小人数しかいないため、手術件数が多いと休憩の交代ができず、10時間ずっと立ちっぱなしという事もありました。
特殊部署であるため、病棟からヘルプを呼ぶこともできず休憩なしでの長時間立ちっぱなしは結構辛かったです。
◆2つ目は病棟看護師の友達と気持ちを共有できない事です。
看護師というと病棟で働いているイメージが多いと思います。
看護師のほとんどは病棟で働いているので病棟で働く友達と遊ぶときなどに仕事の会話になったとき、友達同士の会話に入っていくことができないという事が多かったです。
手術室看護師ってどんな事やってるの?と聞かれることが多く、答えても反応が薄かったりして、わかってもらおうとしてはいけないなと何度も思いました。
また、病棟が忙しい時に手術室からヘルプに行くことはあっても、病棟からヘルプに来てくれるという事ができないため、手術室看護師同士の会話では、他の病棟が忙しい時は休憩の交代などに自分たちが行っているのに、自分たちが休憩出来ないときにヘルプに来てくれないことは辛いよねという会話を何度したか分かりません。
また病棟へのヘルプも1~2時間行くという事もあり、緊急手術が入ったらすぐ戻り、結局自分たちが休憩出来ないという事もありました。
もちろん器械を扱ったり、手術体位を作ったりする事を全部手伝ってほしいと言っている訳ではなく、10分でも休憩ができるように考えてほしかったなと思いました。
ヘルプの有無を判断する夜勤看護長も病棟の人が多く、そういった点を考慮してくれることがほとんどなかったなと思います。
◆3つ目は新人でまだ慣れてなかった時に何度も医師に怒鳴られたことです。
緊迫した手術の中で、まだその手術自体数回しか入っておらず、慣れていないときに、すぐに次の器械を出すことができないと、医師をイライラさせてしまい、怒鳴られ、器械を器械台に投げつけられるという事もあり、何度心が折れたかわかりません。
毎回同じ流れならスムーズに出せることもあるのですが、手術に毎回同じという事はなく、予測して出せることもあれば、次何をだせばいいかわからず、医師が必要な器械を言ってくれるまで待つという事もあり、ベテランの医師などは何度も同じ手術をしていて、予測して次の器械がでてくるのが当たり前という方もいて、新人の時は一人で器械だしをする時などはすごく緊張と恐怖がありました。
もちろん自分の努力不足である事は当たり前なのですが、医師の怒鳴り声やピリピリした雰囲気は何度経験しても慣れず、慣れない手術に一人でつく時には前日に何度もマニュアルを見返したり、先輩に流れなどを確認するという事を毎日繰り返していました。
緊張や不安で寝られないという事も多かったです。
寝られない事やストレスで、その時の肌はボロボロでした。
今となってはそれをやっておいたことで、2年目くらいになったときに予測して器械を出すことができるようになったためよかったなと思いますが、新人の時のあの経験はずっと忘れることはできません。
◆4つ目は患者さんとほとんど接する事が出来ない事です。
手術室に入った時に接することはできるのですが、全身麻酔の手術だと、すぐに麻酔がかかり、患者さんは眠る形になるため、手術なので当たり前ではあり、患者さん自身が自分で体を動かせない分、代わりに患者さんの体に異常がないかなどを確認し、手術中の安全を維持することが大切なのですが、たまに患者さんともっと接したいなと思う事が何度かありました。
◆5つ目は手術室経験だけだと病棟経験がなく、だんだん不安になってくることです。
皆が皆不安になるかはわかりませんが、手術室の同期で話していたのは病棟にヘルプで行ったときに採血や点滴、日常生活援助の経験が圧倒的に少なく、出来ないことが多いことを実感するため、このままでいいのかなと不安になってしまう事です。
今後クリニックなどに転職するにしても採血や点滴、日常生活援助の経験は必要になってくることがほとんどです。
一方手術室での経験は手術室への転職なら役に立ちますが、病棟やクリニックで使う事はほとんどないため、このまま病棟の経験がなく看護師を続けていく事に年数が立つことに不安が増してきます。
実際に病棟へ異動希望をだす人も多いですが、手術室自体が人手不足のため、希望が通る事はほとんどありませんでした。
私も3年目の頃に病棟の経験がしたいと思い、移動希望を出しましたが叶いませんでした。
手術室勤務でよかった点は?
手術室勤務でよかった点は4つあります。
◆1つ目は解剖生理に詳しくなれるという事です。
全科の手術があったため、その手術一つ一つを経験していくと、全身の解剖生理について詳しくなる事ができます。
実際に臓器を見るため、本で勉強した事などを自分の目で確認することができ、知識として得ることができます。
それによって解剖についての知識は他の部署よりも得ることができると思います。
◆2つ目は土日休みが多いという事です。
私のいた病院では月~金、土曜日の午前中までは予定手術が入っていますが、日曜日、祝日は予定手術は入っていないため、休みの事が多かったです。
日曜日も緊急手術が入る可能性があるため、出勤は何度かありましたが、月に1~2回あるかどうかだったため、他の土日休みの友達と休みを合わせやすかった事がとてもよかったです。
◆3つ目は夜勤が少ない事です。私の病院では夜までかかる手術は大体2~3件程で、1部屋に外回り看護師と器械出し看護師の2人いる形になるため夜勤の人数はリーダー入れて5人でした。
緊急手術が入ったり、多くの部屋が夜遅くまで残っている場合は日勤帯や中勤務の方が残業する事になります。
夜勤の人数が少ない事、全体の人数が多かったこともあり、必然的に1か月の夜勤の回数が少なく、生活リズム的にはすごく良かったと思います。
しかし、夜勤が少ない事で夜勤手当がつかないのでお給料は病棟の子と比べると5~6万程差がありました。
◆4つ目は手術室手当がある事です。
基本給にプラスで手術室手当がつくので、夜勤が少ない分ありがたかったなと思います。
手術室は血液感染などのリスクがすごく高い事や、針刺し事故もあるため、手術室手当の存在は頑張ろうっていう気持ちにもなれました。
✅まとめ
私は学生の時の実習で手術室看護師に憧れて手術室看護師の希望をだしました。
でも実際は手術室看護師希望の人は少なく、医師に怒られることも多く、患者さんにもなかなか接することが出来ず、何やってるんだろう思う事も多かったです。
しかし、1つ1つの手術の手術を経験し、怒られても、だんだんと予測して器械を出すことができ、安全に手術が終わったときは毎回安心と嬉しさがありました。
今となっては経験できてよかったなとすごく思います。少しでも自分の経験や情報が役に立てば幸いです。